アンドリュー・ニコルの初監督作にして最高傑作(と僕は思う!)であるガタカを19のシーンに分けて、シーン別に完全解説します。

ガタカが好きすぎて、全セリフの書き起こしをしてしまいました。そのセリフを見ながら19のシーンに分けて分析しました。

オープニングからラストまでそれぞれのシーンにどのような意味があるのか、僕なりの解説を書いていきます。

ところで、ガタカの最大の謎というか、解釈が難しいのがラストシーンのジェローム・ユージーン・モローの自殺ですよね。

その説明をするためには、ガタカのすべてのシーンを見ていく必要があります。

それぞれのシーンが何を意味するのか? 何を伝えようとしているのか? 各シーンの解釈を積み重ねていくことで、はじめてラストシーンにどんな意味があるのかを考えることができるのです。

しかし見るたびに、「あれ、もしかして今までの解釈は違っていたのかも・・・」と悩むことも度々あります。そんな新しい発見があるのもガタカの魅力の一つです。

自分の中でさえ、見るたびに解釈が変わることがあるのですから、人によって様々な解釈があるのは当然。

だからガタカの解説に正解はないと思います。いろんな人の解説・感想を読みながら自分なりの解釈を作るのが面白いんです。

ガタカは見れば見るほど、本当に無駄のない完璧な作品だと感じます。

ラストシーンの解釈とともに、ガタカが扱っている様々なテーマ、象徴的なモチーフについても解説していきます。

この記事はガタカマニア以外は読んでも面白くないと思われるであろうことを最初にお伝えしておきます。

ガタカ・オープニング

ガタカのオープニングは青い画面から始まり、何かが落下してきます。いったい何が落下しているのか、この段階ではわかりません。

地面に激しく激突し、かなりの音が反響しています。

しばらくすると何か雪のようなものが降っているかのように見えます。

何が降っているのか? さらにはなぜ降っているのか? そんな疑問が沸き起こってきます。

すると、男性が無精ひげを剃っていることに気付きます。

さっき、さらさらと降っていたのはもしかしてヒゲ?

そしてなんか体をこすっているぞ? シャワールーム?

かと思ったら、燃え出した!焼却炉!?

自分の体から落としたものを燃やした?なんで?

その焼却炉みたいな物体から出てきた男は、足に黄色い液体の入ったパックをセットします。

そして血液を注入したフィルムっぽいものを指先に貼り付けました。

次に建物から車で出てくるシーンが続きます。

謎めいたオープニングで引き込まれます。

ガタカ・オープニング解説

ガタカのオープニングシーンは、主人公ビンセントの生き方への導入です。

自分の体から出る自らの痕跡を洗い落とすだけでなく、焼却するシーンは、冷たい色相の青が炎へ入れ替わるという光の変化が印象的です。

極端な光の変化により、自分の痕跡を消す作業が強調されています。

ガタカではこのように光(色)を対比させることで、差異を際立たせる手法が他のシーンでも使われます。

自分の痕跡を消した後、保存してある尿や血液をセットします。

自分のアイデンティティを捨てて、他人のアイデンティティを身に着けることが強調されています。

オープニングで流れる音楽はマイケル・ナイマンの「The Morrow」です。

ジェローム・ユージーン・モローのMorrowを暗示していますよね。このMorrowが何を暗示しているのかの解釈によって、ラストシーンの見方も変わってくるような気がします。

シーン1の解説へ続く