前回のシーン12解説記事へ

この記事ではガタカ76分~86分あたりのシーンを解説します。

①ジェロームとアントンの対決
②アイリーンのショック
③ジェロームの変化

この3点を中心に解説します。

セリフで見ると、76分~86分は下記の部分です。

ヒューゴ:ゆうべの男?
アントン:関係ない

ジョセフ:最高のスタッフだ 殺人など犯すはずがない
アントン:ジェローム・モロー・・・

アイリーン:顔色が悪いわジェローム 帰ったら

アイリーン:何か?
アントン:ジェローム・モローは?
アイリーン:気分が悪くて帰りました
アントン:そうか 見舞おう 案内を頼む

アントン:彼の正体を?

ビンセント:ユージーン 自分に戻ってくれ
ジェローム:難しい
ビンセント:捜査官が行く 病気の振りを
ジェローム:どれくらいで着く?
ビンセント:すぐだ

アイリーン:留守かしら
アントン:ジェローム・モローを
ジェローム:僕だ 入って
アントン:いた

ジェローム:どうぞ こっちだ ダーリン キスを
アイリーン:気分はいいの
ジェローム:君の顔を見たから そちらは 僕に用?
アイリーン:事件のことで
ジェローム:また?
アントン:まずかった?
ジェローム:とんでもない 家の案内はできないが
アイリーン:日を改めて
アントン:すぐ済む
ジェローム:病名がわかるかも
ジェローム:誰だと思った

ヒューゴ:犯人を逮捕しました
アントン:すぐ行く

ビンセント:元気か ジェローム
ジェローム:ああ ジェローム
ビンセント:1人で上へ
ジェローム:歩ける 黙ってたが

ビンセント:アイリーン
アイリーン:触らないで
ビンセント:聞いてくれ
アイリーン:何者?
ビンセント:僕は僕だ
アイリーン:嘘はたくさん
ビンセント:名前はビンセントだ ビンセント・A・フリーマン 不適正者だが 殺人犯じゃない 
アイリーン:”神の子”?
ビンセント:僕も心臓に爆弾を抱えてる そしてもう長くはない すでに寿命を過ぎてる
アイリーン:まさか
ビンセント:何が不可能か 君にはわかるはずだ 欠点を探すのに必死で気づかなかったろ こんな言葉は慰めにならないだろうが 可能なんだ

①ジェロームとアントンの対決

アントンは自分が追っている男はジェローム・モローであり、兄のビンセントがなりすましていると考えています。

アントンはジェローム・モローのDNA検査をするためにジェロームの自宅を訪れます。

ビンセントはジェロームに電話をかけて、「これから刑事が行く。自分に戻ってくれ」と頼みます。

ジェロ―ムは上半身の力だけで、らせん階段を上ります。

何度も鳴らされるドアベルに焦りながらも、ジェロ―ムはソファに腰掛け、アントンとアイリーンを迎え入れます。

ジェロームがビンセントだと思っていたアントンは、血液検査で彼が実際には”ジェローム・モロー”であることが判明して驚きます。

それでもアントンは納得できません。

地階に降りようとします。そこにはビンセントの姿があります。そしてs種々のサンプルもあります。

これを見つけられたら厄介です。

そんなときアントンの電話が鳴ります。

部下のヒューゴ刑事からです。

犯人が見つかったという報告で、アントンはガタカに戻ります。

アントンが出て行ってから、らせん階段をビンセントが上ってきます。

「元気か?ジェローム?」
「ああ、ジェローム」

混乱し、ビンセントに騙されたことを悟ったアイリーンは部屋を後にします。

②アイリーンのショック

アイリーンを追いかけてビンセントは自分の正体を告げます。

ここではじめてアイリーンはビンセントが自然分娩で生まれたことを知ります。

「僕は僕だ」「僕も心臓に爆弾を抱えてる そしてもう長くはない すでに寿命を過ぎてる」

こう告白するビンセントにアイリーンは動揺します。

DNAですべてが決まることを受け入れているアイリーンにとって、DNAに逆らって生きているビンセントが信じられないのです。

ビンセントは自分を信じて努力すれば、不可能を可能にすることができるとアイリーンに伝えます。

ビンセントは”データ”ではなく、アイリーン自身の目で判断して欲しいと思っているのです。

③ジェロームの変化

ジェロームはこれまで期待に応えられなかった自分を価値がないものと考えていました。

人々から蔑まれることに耐えられず、自殺しようとして失敗し、車いす生活を余儀なくされています。

厭世的であり、皮肉屋でした。

最高級のDNAの持ち主である自分にとって、努力など不要なはずでした。

しかし、このシーンで初めてジェロームはビンセントのために必死の努力をします。

アントンを迎えて、健常者のように振舞わなければならないのです。

ジェロームはらせん階段を上半身の力だけで、必死の形相で上ります。

普段冷笑的なジェロームがビンセントのために努力する思いやりを持っていることが伝わってきます。

いや、ビンセントと関わることによって、ジェロームの内面が変化してきたのでしょう。

シーン14へ続く