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今回はガタカの主要登場人物であるアイリーンとビンセントが接近するシーンの解説です。

ガタカの屋上で、アイリーンの髪の毛を渡されたビンセントが「風にさらわれた」と言って髪の毛を捨てるシーンです。

いや~、カッコいいシーンですよね!

まずはセリフから見ていきましょう。

ジェローム:君も毎日打ち上げを見てる
アイリーン:ジェローム
ジェローム:ひどい事件だ
アイリーン:遅すぎたわ 打ち上げ中止の話もあった 犯人に感謝ね
ジェローム:犯人はわかったの?
アイリーン:南棟からマツ毛が
ジェローム:誰の?
アイリーン:不適正者よ ジェローム あなたのデータも調べたわ ごめんなさい 噂以上の逸材ね
ジェローム:君も遺伝子操作を受けてるんだろ?
アイリーン:皆とは違うの 記録によれば”心不全の恐れあり” 私が旅できる惑星は地球だけ
ジェローム:健康に見えるけど
アイリーン:疑うなら これを調べて わかるはずよ
ジェローム:風にさらわれた

ガタカの屋上からロケットの離陸を見ているアイリーンに近づき、ビンセントは彼女に声をかけます。

これが最初にビンセントとアイリーンが接近するシーンです。

アイリーンはビンセントに殺人事件の証拠として、「不適合者」のまつ毛が見つかったことを伝えます。

この時点ではビンセントは自分のまつ毛であることに気付きません。

アイリーンはさらにビンセントのDNAを調査したことを告げます。

もちろん実際はジェロームのDNAであって、ビンセントのDNAではありませんが。

アイリーンは完璧なDNAの持ち主であるビンセントに自分の欠陥を告白します。

遺伝子操作を受けているにも関わらず心臓疾患の可能性があり、宇宙には行けないと。

ビンセントは驚き、とてもそんな風に見えないと返します。

するとアイリーンは自分の髪の毛を1本抜き取り、「これを調べたらわかるわ」と検査をするように言います。

これは2つのことを示唆しています。

①DNAが人間の価値を決める指標であることの強調
②遺伝子操作といえども完璧ではないこと

一方で、ビンセントはDNAが人の価値を決めるものではないとアイリーンに伝えているわけです。

DNAという表層ではなく、人の本質を見ることが大切だということです。

この接近をキッカケにビンセントとアイリーンはお互いの好意の度合いを上げていきます。

シーン10へ続く