年商5億円の歯科医院がやっている 女性スタッフとの良い関係の築き方

「年商5億の歯科医院がやっている女性スタッフとの良い関係の築き方」というタイトルの通り、女性スタッフに力を発揮してもらうためのコミュニケーション術が書かれた本です。

岡山で約80名のスタッフを抱える、かなり規模の大きい歯科医院を経営する院長の著書。

女性スタッフとうまくコミュニケーションをとって仕事をするのは難しいと感じる経営者は多いのでではないでしょうか。

そんな経営者には今日から使えるヒントが詰まった本です。

しかしこの本の真の価値はそこではありません。

この本は店舗ビジネスを発展させるための珠玉のヒント集だと感じます。

店舗ビジネスを発展させるためには、マーケティングとHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)が不可欠ですよね。本書は後者について生々しい経験をもとに生み出された具体的なノウハウが公開されています。

しかも「女性スタッフの多い職場を円滑に回しましょう」というレベルではなく、スタッフに主体的に動いてもらうことで、勝手にビジネスが発展していくという理想的な方法です。

女性スタッフに限らず、スタッフとのコミュニケーションに悩んでいる経営者は多いです。

「なんであいつは俺の言った通りにやらない!」「なんで俺の言うことがわからないんだ!」と思ったことありますよね?

何とか組織を変えたいと思いながら、変わらないどころか、何をやっても雰囲気が悪化するという経験をしたこともあるのでは?

著者の組織もそうだったみたいです。スタッフから「話しがあります」と言われたら、「退職か・・・」と胃が痛い思いをしていた時代もあったとか。

しかし、そんな組織から、今では自らが勝手に変わる(もちろん良い方向に)組織になっているというではないですか!

その秘密は・・・本書に譲るとして、私自身が本書を読んで参考になった点を3つあげておきます。

「年商5億の歯科医院がやっている女性スタッフとの良い関係の築き方」参考ポイント1.経営理念の重要性

どこの会社も経営理念を作っていますよね。しかしそれが絵に描いた餅になっている会社が多いのではないでしょうか。額に入れて飾ってあるだけになっている会社のなんと多いことか!

しかも本当に重要なのは、経営理念を作ることではなく、作った理念をスタッフに浸透させることのはず。でも、作っただけで満足して終わりという経営者が多い気がします。この本では、経営理念の作りかたというより、理念をスタッフに浸透させる手順が具体的に書かれています。

理念を浸透させるには仕組みが必要で、次の4つのステップについて、それぞれのステップで仕組みづくりが必要だということです。4つのステップとは、「理念・体現・信頼・支援」です。

「年商5億の歯科医院がやっている女性スタッフとの良い関係の築き方」参考ポイント2.共感とロジックの絶妙なバランス

意識の高い経営者なら、セミナーやら勉強会やら、いろいろ参加していると思います。

そして、そのような場で「感動する素晴らしい話を聞いた!」という経験は誰でも持っているでしょう。しかし話を聞いてやる気になったけど、実際に行動に移したことはどれくらいありますか?

この問いに自信を持って「100%!」と答えられる人は少ないでしょう。

なぜでしょう?人は共感だけでは動かないからです。人は感情が高ぶっても、行動するために納得できる理屈がないと動けないのです。

つまり、人は共感だけでなく、ロジックがないと動かないということです。

この本はスラスラ読めるのですが、それは共感ポイントとロジックのバランスが絶妙だからということも理由のひとつです。

著者の失敗談が語られたかと思うと、それを克服するためにどんな仕組みを作ったかが語られます。

つまり、共感だけでなく、ロジックがあるということです。

それは本の内容だけでなく、著者の経営姿勢にも感じられます。

女性スタッフと仕事をするうえで最も大切なことはマメなコミュニケーションだと著者は語っています。

マメなコミュニケ―ションでスタッフとの共感を作るわけですが、そのコミュニケーションをいかに仕組み化するかまでがロジックで語られています。

共感とロジックのバランスが絶妙なんですよね。

これは大いに参考になった点です。

「年商5億の歯科医院がやっている女性スタッフとの良い関係の築き方」参考ポイント3.あきらめない心

この本に書かれた事例は、ありがとうカードとか、朝礼の実施とか、リッツカールトンや他の優良企業でもやっていることです。

しかし、それらの会社の事例を聞いて、「よし、うちでもやってみよう!」と思って始めるのですが、どれだけの経営者が自社に徹底できたでしょうか?

他社の成功事例を聞いて、自社でやってみたけどうまくいかなかったら、それで終わりという経営者って多いですよね。

ところがこの本の著者は違うんですよ!

もともと女性スタッフとの信頼関係がないところからスタートしているわけで、朝礼なんてはじめても、スタッフからは「は?意味あるの?」みたいな冷たい視線を浴びせられる毎日なわけです。

余計にチームの雰囲気悪くなりそうですよね。

実際に、はじめは全然うまくいかなくて、チームの雰囲気が悪くなったそうですが、良いと思ったことはあきらめずにやり続けたのです。

この執念を持てるか、持ち続けられるかが成功と失敗の分水嶺になるのでしょう。

著者は強いチームを作っていると聞いた企業には県外であっても直接訪問して見学させてもらったそうです。

そして少しずつチームが変わっていきました。

個人的には、このあたり(「はじめはうまくいかなかったのに、なぜやり続けることができたのか」)という部分をもう少し詳しく知りたいと思いますが、この本を読んでいると「よし!やってみよう!」という勇気をもらうことができます。

行動力のある人の言動は、他人にも強い影響を与えます。

さらに、気合いのような気持ちだけでなく、ロジックもあるので納得できます。

歯科医院に限らず、すべての業種で参考にできる内容じゃないかなと思います。